海の門番が船の往来を見張る
江戸時代に日本で唯一の海外への窓口として開かれていた長崎港へは、オランダ船をはじめ、イギリスや中国からの黒船が出船入船していました。
長崎港の入口に位置する伊王島は、外国船見張りや有事の際の備えができる地理的条件を備えていました。
外国船が近付けば、旗合わせをして、長崎奉行所に通報した番屋駐屯所があった場所です。
現在の岡町付近にあったと伝えられている番所の物見台から出船入船の様子を監視していたようです。
※現在の伊王島灯台近辺から長崎湾を望む風景が、見えていたと思われます。
伊王島沖を進むロシア船籍の帆船「パラダ」
2016年の長崎帆船まつりの参加するために外国から優雅な帆船が伊王島沖を通過しました。その姿を見ると、かつて出船入船を監視していた当時の様子を想像することできます。
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幕末、ペリーの浦賀来航直後、ロシア使節極東艦隊司令官プチャーチンが通商を求めて長崎に来航した時の旗艦がパラダ(現在の帆船とは別)でした。
普段はウラジオストック港を母港とし、海技学校や水産学校の学生の研修船として使用されています。